先生のビー玉
思わず彼を凝視する孝司。
彼も孝司を見たような気がした…

が…

何も言わずすれ違ったのだ。
振り返る孝司。
彼の後姿を見…

「佳奈ちゃん、パソコン室にいます?」

と投げかけた。
思わず足が止まった。
が、そのまま去って行ってしまった。

「やる気出るよね」

鼻で笑うと、パソコン室に向かう孝司だった。

そしてパソコン室に到着する。
受付には…彼女は座っていない。
中に入ると、彼女の姿はない。
それどころか、この間競技会でいた生徒も…いない。

「どおりで…」

先ほどの彼の反応を思い出しながら納得する彼。
とりあえず、彼女が来るまでパソコン室にいることにした。
すると、

「どうも」

「あ、どうも」

絵里が後ろから声をかける。

「どうやらすれ違いだったようね」

と絵里が言う。

「そうみたいだね」

と孝司。
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