先生のビー玉
「佳奈が来る時間までちょっと付き合わない?」

「あぁ、良いよ。
どうせ暇だし」

絵里の誘いに乗る孝司。
二人は、パソコン室を出て中庭へ。

「早くしてくれない?」

「は?」

「佳奈目当てなんでしょ?
さっさとモノにしてもらわなきゃ困るんだけど」

苛立っている絵里を見、クスッと笑う孝司。
そして…

「俺さ、あんまし強引にしたくないんだよね。
そういう君は…もしかしたらあのどでかい教師目当て?
だったら…脈ないって。
あいつ、佳奈ちゃんの事、気になって仕方がないって感じだしさ」

と孝司が言ったのだ。
思わず…

「あんたに何がわかるって言うのよ」

叫んでいた。

「何がわかるって?
そんなのあの態度見てれば一目瞭然だよ」

と競技会での話を始めた。
見る見るうちに顔色が変わっていく彼女。

「まぁ、そんなところ。
でも、俺は諦めるつもりないし、あんたと協力するつもりもない。
どうせチンケないじめなんてするつもりだろ?
それって…悪循環だからね」

考えていることが的中したのか、絵里、なにも話さない。

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