先生のビー玉
すると…

「ちょっと準備室で待ってな」

そう言った貴子、パッとパソコン室を出て行った。
軽やかに階段を登っていると…
彼が走ってこっちに向かってきたのだ。

「…ばかじゃんあいつ」

彼を見て呟く貴子。
彼女に気づく彼。

「…」

言葉が出ない彼。
すると…

「遅いよ。
もう奴、パソコン室で待ってるよ。
ったく…
佳奈の係の時間にはちゃんといてやってよ」

と貴子が言う。

「…わかった。
ちょっと教室で捕まっちまってな」

苦笑いをしたつもりだったのだが…

「笑ってないし」

貴子が苦笑い。
二人、パソコン室へ行くと…
恭子がふてくされて立っていた。
それも…受付に。

「何やってんの?佳奈は?」

と貴子。


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