先生のビー玉
「全く…」

頭を抱える彼。
席を立ちパソコン室に走る佳奈。
パッと表情が代わる彼。

「さっき…」

「気になるんでしょ?佳奈の事」

「…」

「先生の態度見てれば分かるよ。
佳奈の事が気になってる~ってのが。
女子高生を甘く見ないでよ。
多分…
3年になった頃にはもう気にしてたでしょ?」

「…お前、はぁ…そうだよ。
いや…そうなのかもしれん。
まだ自分の中で整理もついてない。
感情が勝手に出てるのは事実、否定はしない。
だが…」

「教師と生徒ってのがネックなんでしょ?」

貴子の一言でまたもや大きなため息をひとつし…

「どこまで人を読んでんだ?お前ら…」

「お前ら?」

「お前と一之瀬。
さっき、安藤を呼びに来た後言われたんだよ。
いつまでも自分の気持ちを押し殺してると…
逃げてしまうとな。
年の差なんて関係ない、教師と生徒なんて関係ない。
ってな」

「へぇ…良いこと言うじゃん、恭子」

貴子が言うと、

「お前らは…大人をあおるな」

頭を抱えて苦笑いする彼だった。


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