先生のビー玉
その日の事だった。
就職の希望先を見つけてきて担任に相談していた。
毎日と言っていいほど通っていた就職指導室。
最近の生徒は、先々の事を考えているのかいないのか分からないが、就職先は降って湧いてくると思っている。
だから、指導室に行く生徒は…まれだ。

聞くと、この学園を志望したとのこと。
そう言えば、今年は2名ほど採用するとか言ってたな。
だが、母校は興味がないのか希望する奴は言ってこない。
そんな矢先の事だった。

準備室で履歴書を書く彼女。
ブツブツと言いながら描く姿は…滑稽だった。
思わず笑うと、不思議そうな顔をしていたが…
出来上がった履歴書を見たが、これまた字も上手だ。
これだけでも採用される要素はかなりある。

ま、大丈夫だろう。

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