先生のビー玉
彼は、田村浩一。
3年前に赴任した情報処理関係の教師。
まだ27歳と若く、人気も高い。
ということは…まぁまぁなイケメンだ。
185センチと長身で、影では巨人といわれている。

「戸田、これ頼むわ」

と渡されたプリント。

「これ何?」

質問すると、

「競技会の問題」

「競技会?今年も出るの?」

「出るよ」

「無駄だって」

「はぁ?」

「どうせ遊びに行くようなもんじゃない」

そう言うと、

「すべこべ言わずに配れ」

頭を小突かれる。

「はいはい、はい、これ今からやりますよ~」

と言いつつ配り始める佳奈。
とはいえ…
新入部員はいない。
2年生は…5人。
3年生は…3人。
もらったプリントは…厚さが3センチ弱。

「ムダじゃん」

「なにっ」

ボソッと言うと、彼が間髪入れずに言う。
そして由梨や後輩達がが笑う。

「先輩と先生っていつも面白い」

と由梨。

「こっちは面白くない」

と彼は言うと、

「分からんとこがあったら聞きに来い」

と言いつつ準備室へ入って行った。
そこへ絵里がやって来、二人でなにやら話している。

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