先生のビー玉
それから貴子がやってきた。

「なにやってんの?
あぁ、先生全部食べちゃったのっ!」

「悪いかっ
俺は、腹が減ってたんだっ」

「働いて楽しみにしてきたのにっ」

と、佳奈の隣に座る。

「ごめんね、先生がお腹すいてるって言ったから…」

佳奈が言うと、

「良いのよ別に、気にしないで」

舌をペロッと出して笑う。
苦笑いする彼。

「あ、恭子は?」

佳奈が言うと、

「とっとと帰った。バイトだって…あ」

「ちゃんと許可書出しとけって言っとけ」

「出してないの?」

と佳奈が言う。
大きく頷く貴子。

「めんどくさいらしいわ。
それで、絵里に脅迫されたんだから。
あっきれた奴よ」

「脅迫?」

「あぁ、気にしないで。
そんなことでどうこうなる恭子じゃないわ」

笑う貴子だった。
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