先生のビー玉
「ほら、いつもの口調で良いって…
まぁ、無理か…
ん?あぁ、あの彼の事?
別に構わないよ。
だって、誰が誰を好きになろうが勝手だし、それが教師だとしても生徒だとしてもそれはめぐりあわせだからね。
私は、君を採用したのは、真面目でいつもココを綺麗にしようと頑張ってくれている。
それは他の事でも同じだ。
何にでも、真面目に取りかかることができれば…努力できれば…それでいいんじゃないかな?
それに、もう君も卒業だ。
教師と生徒でもない。
大いに恋愛はすべきだ」
一緒に作業をしながら話を聞く。
なぜか…とても勇気が出た。
「ありがとうございます」
そう言うと、
「なぁに、お、来たぞ。
じゃ、私は退散しよう」
そう言い、一通りの作業を終えどこかへ行ってしまった。
「お、今日も真面目にやってるな」
と彼が話しかけてきた。
「ちゃんとやってますよっ」
佳奈が答えると、
「あ、そうだ。
卒業アルバムの写真撮影があるらしいんだ。
それで、幽霊部員にも声をかけといてくれるか?」
と思い出したように言った。
「いつですか?」
「えっとな…また後で言うわ、じゃな」
そう言い、職員室のほうへ向かって行った。
その後姿をずっと眺めている佳奈だった。