先生のビー玉

ニヤリと笑い…

「作戦成功」

彼が、

「何が作戦じゃ」

と恭子の頭を小突く。
カメラマンの合図で３枚ほどの写真が撮られた。
端っこで見ている貴子が腹を抱えて笑っている。
隣で恭子も笑っている。
不思議そうにしていると、

「ほら、前を見ろ
あ、声かけありがとうな」

彼が呟く。
パッと彼を見る。
笑っているが…前を見ろとのジェスチャーであわてて前を見る。
最後のシャッターが切られた。

「それじゃ、解散」

彼が言うと、部員たちはさっさとパソコン室から出て行った。
貴子がやってくる。

「やったね、佳奈」

とＶサインをする。
笑う佳奈。
すると…

「先生も一緒に撮るんだったら隣に行けば良かった～」

と彼にすり寄る絵里。
それを見た恭子…

「ばぁかっ。
目立ちたがり屋だからこういうことになんのよ。
あぁ～おかしいっ」

と笑っていた。
当の彼も…

「残念だったな。
ちょっと悪い…どいてくれるか？
すみません、次は…こっちになります」

絵里を静すると、カメラマンを次の撮影場所へ案内するためにパソコン室を出て行ったのだった。