先生のビー玉
指を指して笑う貴子と恭子。
そんな二人を佳奈が止めさせ、彼女の隣を通った。

ばつの悪そうな表情の絵里。

彼女たちに見られていたと気付いた絵里は、スリッパをはいていた彼女たちの後ろで大げさにドアを閉めると…
佳奈をキッと睨みつけ…さっさと階段を駆け登って行った

「性格ブスねぇ…」

貴子が呟くと、恭子が共感するように大きくうなづいていた。




それからの放課後は、ほとんど毎日絵里が来るようになった。
そして、あれやこれやと由梨たちに指図する。
絵里も、生徒会を引退したので暇ができたのだからここからが本領発揮!ということなのだろうが…
由梨たちは…おもしろくない。

表向きは黙って聞いているが…

いつも遅れてやってくる佳奈に文句を漏らし始めたのだ。

「どうして今さらなんですか?」

「いきなり部長面されても困るっ」

などと毎日のようにである。
そんなある日、部室に顔を出すと、絵里が由梨を怒鳴りつけている。
後ろで聞いていれば…

「どうして挨拶できないわけ?
部長がやってきて無視ってどういうこと?」

と言うあまりにもお粗末な原因で怒鳴っているのである。

「そんなに怒鳴る必要ないよ」

佳奈が言うと、

「あんたが出る幕じゃないのっ!
あんたこそなんでココにいるの?
さっさと帰りなさいよっ」

と今度は佳奈に怒鳴り始めたのだ。

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