先生のビー玉
「私たちは引退したんだよ?
もう部長は絵里じゃない、由梨なんだから…」

そう言うと、

「じゃ、どうしてあんたはここにいるのよっ」

と言う始末。

「そ、それはっ、佳奈先輩に指導してもらいたいからですっ」

と由梨が言ったのだ。
キッと由梨を見る絵里。
そして…逆上したのか絵里が由梨に対して手を振り上げたのだ。
思わず体が動く佳奈。
目をギュッとつぶる由梨。

次の瞬間…


パシッ


佳奈の左ほほに的中した。
大きく振り上げた手は、かなりの激しさである。
あっという間に赤くなった。

「そうやって、相手に対して暴力で済ませようと思うのが間違いだよ」

と頬に手を当てずに絵里を睨みつけて言う佳奈。

「はぁ?いい加減なこと言わないで」

そう言うと、パソコン室を出て行った。

「先輩、大丈夫ですか?」

オロオロと涙を流して佳奈に抱きつく。

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