先生のビー玉
「このくらい大丈夫よ。
もう私も部室には来ないわ。
絵里にも来ないように言う。
私が来なければ絵里だって来ることはないだろうから」

と佳奈が言うと、

「でも…先生が…」

と由梨。

「良いのよ。
ちゃんとした理由があるんだから…
本当は、断るべきだったんだよ。
私がいつまでも来てたら誰も成長しないもんね。
返ってゴタゴタが続いちゃう。
時々は遊びに来るわ」

そう言い、佳奈も鞄を持ち、パソコン室を出た。
いつもなら、階段を登るのだが…
そのまま中庭へ出た。

「はぁ…」

ため息をつき、花壇の端っこに座った。

「これで良いんだよ」

そしてそう呟いた。
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