先生のビー玉
10月も中旬になり、体育大会の練習が大詰めとなってきた。
貴子の季節だ。

「委員会あるからね」

と言われ、改めてどうして体育委員になってしまったのか後悔する毎日だ。
当然のことながら…貴子によって強制的にやらされたのだが…

放課後、会議室に向かう貴子と佳奈。

「私らはね、救護係だからね」

と途中で言われる。

「え?いつ決まったの?」

そう言うと、

「自動的にね。
孝枝先生がさ、働かない奴をこっちに回すなって矢部先生に言ったらしいのよ。
そしたら、自動的に私と佳奈が救護係になったってわけ」

「へぇ…」

貴子の意見に思わず感心する佳奈だった。
そして会議室の中に入る。

机の上に置いてあるプリントを読んでいると、

「全員揃ってるか~」

矢部が中に入ってきた。

「佳奈、前」

ひょいと貴子に言われて顔を上げる…
矢部と一緒に入ってきたのは…数人の体育教師と彼だったのだ。

「先生も係だったんだ」

佳奈がボソッと呟く。

「ラッキーじゃん。
しばらく話してないもんね」

と貴子の一言に大きくうなづく佳奈だった。



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