先生のビー玉
「おぉ、いいぞ。
ほい、戸田…おっ、全問正解っ」

思わず顔がほころぶ佳奈。
答案を受け取ろうとすると、パラッと頭に乗せる。

「良くやった!
次は…おい、半分しか当たってねぇぞっ」

と由梨の頭を小突く彼。

「失礼しますっ」

絵里がパソコン室から出て行った。

「あっ、お疲れ様でしたっ」

後輩たちが立ち上がって言う。

「お前らっ、ちょっとは復習をしろっ!
ちゃんと聞いとけっ」

と言いつつ、前のホワイトボードを使って説明を始める。
改めて思うが、彼の教え方は…本当に分かりやすい。
全教科教えてほしいくらいだ。

彼の講義が終わると、部員たちは後片付けを済ませて部室を出る。
いつものことだ。

そして…

「電気消すぞ」

最後に部室を後にした。
職員室に向かう途中、

「そうだ。
競技会あるだろ?
どうやら一泊で行くらしいぞ。
まだ内緒だけどな」

と彼。



< 23 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop