先生のビー玉
「泊まり?」

「あぁ、どうやら片道3時間くらいかかるらしくてな。
だったら前日から行こうかってことになってな」

「で、そもそも競技会っていつでしたっけ?」

「えっと…夏休み前」

「そうだった」

「ってお前。ちゃんと日程把握しとけよ」

「はぁ?
それって、先生の仕事でしょうが。
それに、私は副部長!
部長は絵里!」

「まぁそうだけどな」

そして職員室に入る。
と、鍵を所定の位置に置き、彼の机に行くと…

「ちゃんと準備してあるし…」

昼休みに作業したまま置いてあるプリントの山。
お決まりの隣の教師のいすに座り作業を始める。

「おっ、さすがだな」

自分の席に座り、ホチキスを佳奈に渡す。
一瞬、手が当たる。
思わず手を引っ込める佳奈。

「どうした?
手元が狂ったか?
俺より若いんだぞ~」

と言いつつホチキスを拾って机に置く。

「あはは…」

ただ笑って作業を進める佳奈だった。

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