先生のビー玉
そんなある日の掃除時間。
いつも彼女がいる場所を通って職員室へ戻るようにしている。

滑稽だ…まるで高校生…

自分の行動に苦笑いをしつつ彼女を見つけると、何かを空にかざしている。
そして…


「うまくはいかないね…」


とため息をついているのを目撃した。

それは…どういう意味なのだろうか?

うまくいかない?

なにが?

彼女の手にあるのは、あのビー玉だ。


俺に対しての気持ちなのか?


あのビー玉は、俺しか知らないはずだ。


戸田…


俺は期待してもいいのか?


教えてもらえないだろうか…


自分の席に座り、頭を抱えていると、


「先生、最近なにかありました?
っていうか、戸田は部活に行ってないんでしょうか?
職員室にも来ないようですし…
こないだ声をかけたらなんでもないって言ってましたが…」


と池田が心配そうに言ってくる。
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