先生のビー玉
「て・ててて手作り?」

と恭子。
すると…

「あぁ、そうだった。
佳奈って、編み物好きだったもんね。
私も編んでもらったっけなぁ~マフラー」

と大きく頷きながら貴子が言った。

「で、何編んでんの?」

「…そのマフラーと…手袋」

「ひやぁぁぁぁぁ」

二人の反応を見…赤面する佳奈。
そして、

「やっぱり…重いよね…
もし、渡せなかったら、父さんにあげよっかなぁって」

そう言うと、

「重くない!重くない!」

彼の気持ちを知っている二人としては、彼女を応援するしか…ないのである。

「まぁ、作るだけ作ろうと思ってね」

笑って佳奈は答えた。
そして二人に出来上がったマフラーを見せる。

紺のアーガイル模様がワンポイントになっているかわいいマフラーだ。

「わぁ…模様なんてついてるし。
じゃぁ、手袋も同じモノ?」

恭子の質問に頷く佳奈。

「こりゃぁ~喜ぶわ」

貴子が太鼓判を押す。

「で、いつもいつ編んでるの?」

「えっと…貴子が帰った後。
図書館でやってる。
帰ったからだとなかなかできないから」

と言う佳奈に、

「そうかぁ、それで先に帰って~なんて言ってたんだな」

納得する貴子。

「だって、恥ずかしいかったからね」

そう言う佳奈がかわいい!と思う二人だったのであった。
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