先生のビー玉
「ま、渡す相手がいるって良いことよ」

恭子が言うと、貴子も大きく頷く。

「そう?二人はいないの?」

と質問する佳奈に…

「いない!」

即答する二人。
その早さに驚く佳奈だった。



そんなある日の放課後。
貴子が帰り、編み物を続けていた佳奈だったが、持ってきていた毛糸がなくなってしまったので、帰ろうと時計をみると、6時半だ。

「もうすぐ部活も終わる時間か」

そう呟き、図書室を出た。
そして何気に職員室の前を通った時である。

「戸田っ!」

池田から声をかけられた。
振り向くと、

「良かった!ちょっと手伝え」

そう言われるがままに職員室に入る羽目になってしまった。
もう3カ月くらい来ていない放課後の職員室。
相変わらずガラ~ンとしている。

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