先生のビー玉
そして次の日。
終業式が終わり、掃除時間も終わった。
教室に戻り、貴子と恭子が佳奈の席にやってくる。

「いつ渡すの?」

と同じ口調で同じ質問。

「…わかんない」

うつむいたままつぶやく佳奈。

「緊張してんの?」

と貴子。
うなづく佳奈。

「緊張したってしょうがないって」

と恭子が背中をポンッと叩く。

「緊張するんだもんっ」

ガバッとうつぶせる佳奈。

「着いてってあげるよ」

と二人。

「だって…二人とも用事あるでしょ?クリスマスなんだから」

と佳奈が顔を上げる。
すると…

「私は、7時に待ち合わせだから大丈夫よ」

と恭子。

「私は、どうせどこも行かずに勉強してるし」

と貴子。

「いいよ。
一人で行く」

と佳奈が言うと、

「言うと思った。
私は図書室にいるからいつでも来なよ」

と貴子が一言。
恭子も頷く。
そして、二人は図書室へ向かっていった。
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