先生のビー玉
一人残った佳奈。
どのタイミングで渡そうか考えていた。

「考えても仕方ないか…」

立ち上がり、鞄を手に取る。
まずは…職員室。

「…すごい…」

職員室を覗いた。
が…
彼の机の上には、たくさんの紙袋が置いてある。


そう…たくさんのクリスマスプレゼントだ


それを見、思わず躊躇する佳奈。


「戸田?どうかしたか?」


池田が声をかける。

「い、いえ、なんでもないです」

そう言い、職員室を出る。

「田村先生なら…準備室なんだけどなぁ…」

頭をポリポリとかきながらつぶやく池田。

「ま、余計なお世話か」

そう言いつつ席に座って事務仕事を始める。
そして…

「俺には…あるわけないか」

なんてつぶやいてもみた。



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