先生のビー玉
すると、顔を上げた彼は…

「予定なんかないよ」

と真面目な顔で言う。
そんな表情にドキッとしつつ…

「ま、またそんな…」

佳奈が言うと、

「いないよ。
そもそも、そんな相手がいたら、いつもあんな時間まで残業なんてしてない」

と笑う。

まぁ、確かにそうだ。

「ま、さっきもうるさいやつらに言われたけど、どうもそういう相手がいると思われてるみたいだな。
まったく…いい迷惑だよ」

そう愚痴る彼。

「でも…
先生の机の上、すごかったですよ。
プレゼントの量」

そういうと、

「あはは…
でも、もらいたい相手からじゃなかったら意味ないよ」

と佳奈を見て言う彼。
目をそらすことができない佳奈。

「あ…」

「しっつれいしま~っすっ」


相手は誰ですか?


そう聞こうとした瞬間だった。
ハイテンションの絵里が入ってきたのだ。


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