先生のビー玉
保健室を出て図書室に走る。

引き戸を静かに開けると…
二人が待ちくたびれたようにこっちを見た。

「あ、やっとご登場よ」

と恭子。

「その顔だと…」

と貴子の言葉に、大きく頷く佳奈。

「えっ、マジっ?」

恭子が立ち上がる。
二人のところに近寄り…

「先生に…コクられちゃったっ」

ボソッと呟く。
次の瞬間…

「いたっ、いたいっ」

「きゃぁ~やったじゃないっ」

「良かった~」

二人から思い切りたたかれながら祝福を受ける佳奈。
叩かれたところをさすりながら頷く。
その時の模様を根掘り葉掘り聞かれていると…

佳奈の携帯が鳴った。

< 294 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop