先生のビー玉
それから1時間ほどが過ぎただろうか…

佳奈の携帯にメールが入った。

「もしか…ヤツ?」

パッと携帯を開き…見る。
大きく頷く佳奈。

『今日は早く終わった。
もし、時間があれば会いたい』

「わっ、わっ」

顔を真っ赤にして貴子に文章を見せる佳奈。

「やるじゃ~ん。
あ、私をダシに使ってもらっても全然かまわないしっていうか…」

そう言うと、部屋を出た貴子。

「お母さん、今から佳奈借ります!
で、今日うちに泊まりますから!」

廊下で叫ぶ貴子。

「た、たかこっ」

思わず廊下に出ると…

「ん?いいわよ~たまにはお父さんと一緒にゆっくりしたいから。
さっさと彼氏でも作って欲しいもんだわ~」

と笑って言っているではないか。
出す言葉も…ない。
振り返った貴子。

「案外…さっさと言っちゃったほうが…いいかも」

ニヤリと笑った貴子がさらりと言った。
それから彼に返信し、とりあえず準備を始める。
服をベッドに並べ…

「貴子、どれがいいかな?」

なんてとっかえひっかえ…である。
が…貴子は…

「これとこれ」

と手に取っていたのは…

ブラとショーツだった…
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