先生のビー玉
貴子の家に到着し、5分が過ぎたころ、彼の車がやってきた。

「なんだかわくわくするぅ」

「どうして貴子がわくわくするのよっ」

「初お泊り。
初エッチ」

「ばかっ」

「ふんっ」

車から降りた彼…

「ほら、これ食え」

スイーツの袋を貴子に差し出す。

「えっ?口止め料?」

「まぁな。
と、お礼と、これ食って勉強頑張れ」

「わっ、鬼のようなお言葉」

「応援してるんだぞ」

笑う彼。
そして、

「ほら、さっさと行っちゃって。
あっという間に時間なんて過ぎちゃうんだからね」

と貴子の言葉に、佳奈は彼の車に乗り込む。

「ありがとうな」

彼が乗り込み際に貴子に言う。

「気持ちはわかるからね~」

手を振る貴子を背に車は走り去った。

「楽しんでねぇ~
っとぉ、これ食べちゃお」

スキップしながら家の中に入る貴子だった。
< 309 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop