先生のビー玉
準備室に入る佳奈。

「これ、やっといてくれ。
俺は期末テストの問題の資料を集めなきゃならん」

とプリントを手渡す。

「あ、競技会って、期末テストが終わってからでしたね」

佳奈が言うと、

「あぁ、とりあえずはテスト前1週間は部活停止だぞ」

と彼。

「じゃ、その間は?」

「テスト勉強だろ~」

と持っていたペンで佳奈を指す。

「そっか。じゃ、これ終わったらまた持ってきますね」

「あぁ、頼むわ」

そう言い、準備室を出た。
そして貴子たちや競技会に出ない部員にもプリントを配る。

「へぇ…かなり難しい問題なわけね」

貴子が唸りながら解いている。
それから1時間が過ぎたころ、佳奈がペンを置いた。

「わっ、佳奈…もう終わったの?」

貴子が言う。
うなづく佳奈。

「一問だけわかんないんだよ。
教えて」

と言った時である。

「神田~、聞くのは採点してからだぞ~」

と準備室から彼が叫んだ。

「チッ、うるさいっ」

そう言い、他の部員たちの笑いを誘っていた。

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