先生のビー玉
「いらっしゃいっ…あ、浩一」

店に入るとGパンにダンガリーシャツを着た女性が顔を出した。
佳奈もいきなり驚いた。

料理屋

だと聞いていたので、てっきり居酒屋とかを想像していたのだ。
だが…

どう見てもカントリー風の喫茶店だ。

「腹減った」

と一言言うと、

「はいはい、あ、彼女…佳奈ちゃん?」

「あ、はい、戸田佳奈です」

頭を下げると、

「はじめまして、浩一の姉の恵理子です」

ニコッと笑って自己紹介。
そして、

「ほら、早く座りなさい。
カウンターでもどこでもいいわよ。
まだ時間が早いから大丈夫よ」

と言ってくれる。
早いって…
7時なのだが…

思わず時計を見る佳奈。

「ほら、座って」

彼がカウンターを指さす。
あわてて座ると、隣に座る彼。

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