先生のビー玉
「適当に出すわよ。
佳奈ちゃん、好き嫌いある?」

「え?あ…ピーマンが…」

「え?お前ピーマン食べられないのか?」

彼が驚いている。
頷く佳奈。

「お子ちゃまだな、お前」

笑う彼。

「お、お子ちゃまでもいいんですっ。
食べれないものは食べれませんっ」

ムキになる佳奈。
すると…

「あぁ、そんなラブラブなところ見せつけなくてもいいから」

あっさり言われた佳奈、思わず黙りこむ。
すると、

「いいから、姉さんはさっさと料理出して」

シッシッとジェスチャーする彼。

「あらっ、彼女の前だと偉そうにしてるのね」

なんて言いつつ調理場へ入って行った。

「うるさいだろ?口から生まれてきたようなもんだ」

水を飲み干すと苦笑いする彼。
そしてここの店のことを話してくれた。

恵理子が結婚した相手は、カントリーソングを歌う人で、革細工やシルバーのアクセサリーを作っている人らしい。
どうりで店内がカントリー風なんだと納得した。
確かに革の財布や指輪などが置いてある。
夜には、そのカントリー仲間がやってきてどんちゃん騒ぎをするらしい。

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