先生のビー玉
「あ、さっさと帰ろう。
姉さん、いくら?」

彼が言うと、中から出てきた恵理子が言った。

「今日はいらないわ」

笑顔で言っていた。
そして、

「あのさ、二人に言いたいんだけど…
まぁ、おせっかいなんだろうけど…
呼び方変えなさい。
戸田とか、先生とかありえないでしょ?」

と言われたのだ。
思わず彼を見る佳奈。

「わかってるよ。
今日はありがとうな」

そう言い、店を出た。

「またおいでね、佳奈ちゃん。
一人でも全然OKよっ」

と明るい声が聞こえてきた。

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