先生のビー玉
異性と一緒に寝たことのない佳奈。
ましてや隣は憧れの彼。

「なぁ…」

「へ、へいっ」

「ぶっ…何時代だよっ」

「あ…あはは…」

思わず話しかけられた佳奈の返答に笑う彼。

「ホント、何もしやしないよ。
約束したろ?」

頷く佳奈。

「でも、正直俺だって緊張してるんだからな」

「うっそだ」

「ホントだよ」

「せ…違った、浩ちゃん大人だもん」

「ばぁかっ。
大人でも緊張するもんは緊張するんだよ」

「そっか」

「そうだよ」

少し本音が聞けた佳奈、緊張もほぐれてきた。
ほぐれてきたと思ったら…眠くなってきた。
大きなあくびをすると…

「寝ろ」

微笑んでいるのか呆れているのか分からない一言。
だが、睡魔には勝てない。
コクリと頷き目を閉じた。

「全く…お前がうらやましいよ」

軽くおでこにキスをした彼…

「眠れねぇ…」

なんて呟くのだった。

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