先生のビー玉
次の日は、昼間にまた恵理子の店へ出かけた。
どうも、彼が行きたがるのだ。

「浩ちゃんは…そんなにお姉さんが好き?」

「ば、ばかっ、違うよ
ちょっと受け取りたいものがあるんだよ」

「あ、そうなんだ。
私、お兄ちゃんがいるけどそうまではないよなぁって思ったりした」

「そんなわけないだろうがっ」

「そっか」

「昼飯も食べればいいかなって思ってさ。
あそこは、常連客しか来ないから安全なんだ」

「そっか」

15分ほどして到着し、店へ入る。
すると、

「おっ、浩一。
出来てるぞ」

「テディさん、急がせてすみません」

「いいのいいの。
そんなに難しいもんじゃないし」

「お昼は?食べてくの?」

「あぁ、食べてく」

二人、カウンターの端っこに座った。
佳奈は、近くに置いてあるシルバー細工を眺めている。
月のワンポイントの入ったペンダントトップやリングを手に取り一人でなにやらブツブツと呟いている。


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