先生のビー玉
「こないだも見てたよな。
月、好きなんだな」

「月、好きです」

「そっか」

すると、

「ほら、飯できたって」

「あ、はい」

彼の隣に座り、取り分けられたパスタを頬張る。
やはりココの料理はおいしい。
食べ終わった頃、

「ほい、例の物」

「わっ、さすがテディさん。思った通りの出来!」

「だろ」

「全く…こっちはいい迷惑よ。
夜中までうるさかったんだから」

恵理子が両手を腰にしかめっ面。

「ゴメン、だからこうして売り上げに貢献してんじゃん」

「まぁね」

勘定を済ませると店を出た。

「ねぇ、なんなんですか?」

佳奈が彼に聞く。

「ん?えっとなぁ…手出してみ」

「あ、はい」

手を出す。
すると、手のひらにポロンと何かが落ちた。
見ると…
シルバーのペンダントトップで、涙型の真ん中にゴールドで三日月がデザインされているシンプルなもの。
だが、佳奈の好きなデザインなのだ。

< 325 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop