先生のビー玉
「ちょっと来なさぁいっ」

腕を組まれ連行される佳奈。

「貴子っ、学校じゃ駄目なんだって~」

「いいじゃないっ」

「よくなぁいっ」

と連れて行かれたのは食堂。
確かにここには…誰もいるはずがない。

「ただ泊まっただけです」

「そんなのありえないっ」

「本当だってば」

詰め寄る恭子にこたえる佳奈。
しばらくすると、つまらなくなったのか…

「まぁ、あいつが早々佳奈に手を出すわけがないわね」

と立ち上がる。

「あったりまえでしょ、ああ見えてもしっかりしてるんだってば、あいつ」

と貴子も立ち上がる。
そして…

「ほら、早く教室に行くわよ」

「はぁ?」

「遅刻になっちゃう」

二人、走り出す。

「ふざけるなぁ」

後ろから怒鳴りつつ走る佳奈。
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