先生のビー玉
「こらっ、走るなッ」

矢部が貴子に怒鳴る。
慌てて立ち止る貴子と恭子。

「こらぁ」

大声を出しながらやってくる佳奈。

「戸田っお前も走るなッ」

怒鳴られ、慌てて立ち止る佳奈。
顔が引きつる。
頭を一発ずつ殴られ…

「お前ら、若いからって走り回るなッ」

と一言ガツンと言うと、

「貴子、後で素振り100回」

「ふえぇぇぇ…」

「情けない声を出すなッ」

そう言いつつ去って行った。
うなだれる貴子。

「まぁ、仕方ないよ。
顧問がヤツなんだから…」

恭子が肩をたたく。
頷く佳奈。

「お昼食べに行きたかったのにぃぃぃ」

と頭を上げる。

「待ってるよ~」

と佳奈。

「私も待ってるし」

と恭子。
その瞬間、パッと表情が変わり…

「速攻で終わらせる」

とガッツポーズをする貴子だった。
とその時である。
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