先生のビー玉
「朝っぱらからなにコントやってんだ?」

後ろから声をかけられる。
一気に心拍音が早くなる佳奈。
にやける二人…

「あっ、おはようございますぅ~」

にこやかに挨拶する二人。
その表情に一歩引きつつ…

「気持ち悪いぞ」

と一言。

「お、おはようご、ございます」

シドロモドロになって佳奈が挨拶すると、

「ん、まともなのはお前だけだ」

そう言いつつ去って行った。

「ん、まともなのはお前だけだ」

貴子が真似をしつつ佳奈に抱きつく。

「わっ、わっ、こうやってんだっ」

恭子が興奮し始める。

「馬鹿なことやってないで、さっさと教室に入れっ」

それを振りかえり様に怒鳴る彼。
慌てて校舎に入る貴子と恭子。
それに続く佳奈。
パッと彼を見る。


目が合う二人…


ニコリと笑う彼。


それに答える佳奈。


階段を登りつつふと思った。


毎回こんなに緊張してたら…


もたないっ


と。


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