先生のビー玉

再会

「佳奈、さっさとしないとバス行っちゃうよっ」

「あ、だったっ。
貴子、後でね」

「了解、二人とも頑張りなさいよ~」

図書室に向かう貴子、そして学校前にあるバス停に向かう佳奈と恭子。
今日から自動車学校に通うのである。

「ほらっ、やっぱり」

バタバタとバスに乗り込む二人。
プシュ~とドアが閉まると自動車学校へ走り出すバス。

「しっかりしろっ」

呆れ顔で言う恭子に謝りつつこれから始まる自動車学校に心躍る。

『落ち着いて頑張れよ』

それこそ昨日の夜に電話で言われた佳奈。
だが、初っ端から遅刻すれすれなのである。

苦笑いしつつ、恭子にお菓子を差し出す。

「わっ、さすが~」

さっきの苦言はなんだったのか?
と言いたいくらいの態度。

まぁ、悪気はないのだ。

外を眺めていると、あっという間に自動車学校に到着した。

生徒は割りと少ない。
少ないので順番が割りと早く回ってくる。

夏に取得した貴子が勧めてくれた学校なのだ。
バスから降り、受付で書類を提出すると、広い教室へ行かされた。
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