先生のビー玉
職員室に行く途中、

「あ、ちょっと部室行ってくるから、先に行ってて」

貴子に言われ、職員室に向かう佳奈。

「しつれいします…」

中に入ると、やはりいるのは彼だけだ。
鍵を置き、ひょいと彼を覗く。
先ほどの続きをやっているのだろう…
邪魔をしないようにと外にでようとすると…

「戸田、全問正解」

「へっ?
採点してたんですか?」

うれしくなって話しかける。
すると、

「採点してくれるか?」

隣の椅子に座るようにジェスチャーしながら言う。

「忙しいんですね。先生も」

そう言いつつ採点を始める。

「あ…由梨、また同じところ間違えてる」

「あ、おしいっ、貴子1問間違い。
さっき分からないって言ってたところかなぁ」

独り言を言いながら採点していると、急に彼が笑いだした。


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