先生のビー玉
それから3日がたった水曜日のこと。

「恭子、今から車乗れるらしいから行ってくるっ」

「ん?私は学科受けるから頑張って」

たまたますれ違った教師から声をかけられた佳奈。
早速車庫に向かった。
だが、まだ教師は来ておらず、チェックの仕方を確認していた。

とその時…

「佳奈ちゃん?」

ビクッと反応する佳奈。
恐る恐る振り向くと…

「ここに来てたんだっ」

滝川孝司がニコニコと笑って立っていた。

「あ、うん…」

ぎこちない笑顔で答えると、

「奇遇だよね、また佳奈ちゃんに会えるなんて嬉しいし…
私服姿もかわいい」

「あ、ありがと」

「いつ入校したの?俺、明日卒業なんだけど」

「え?2週間くらい前」

「そうなんだっ、じゃぁ、今度俺の助手席に乗ってよ!」

と言い出す始末。
が、

「滝川っ、ナンパする暇があったら、学科の勉強してろ」

いいタイミングで教師がやってきた。

「遅れてすまん。ハンコやるから許してくれ」

なんて言われたが…
そんなことより早く来てくれっなんて思う佳奈だった。




< 357 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop