先生のビー玉
佳奈たちが去った後…

「彼氏いるって言ったよな」

竜太郎が呟く。

「あぁ、でもウソだろ」

と孝司。

「ま、そうかもしれねぇな。
それにしても…学校一モテるお前でもツレない子っているんだな」

ベンチに座って笑う竜太郎。

「俺はあきらめないからな」

そう言い、竜太郎の隣に乱暴に座る。
苦笑いの竜太郎。

「1時間…待つか?」

「あぁ、どうせ学科の暗記やらなきゃな」

そう言い、自習室へ向かう二人。
そんなことも露知らず、彼は授業が終わる時間帯にいつもの場所に車を停める。

「今日は…お泊まりなしか」

なんて呟いている彼だった。
授業が終わり、教室から出る佳奈と恭子。
受付にカードを提出した時である。

「あ、佳奈ちゃん終わったの?」

竜太郎が話しかけてくる。
その後に孝司も。
孝司が佳奈の前に来ると、

「話あるんだけど…」

と言い出した。
とその時である。

「あっ、先生。
さっき、この二人が佳奈に絡んで遅れたんですよ。
ちょっと何か言ってくださいよ」

と先ほどの授業の教師に伝える恭子。
案の定…
小言を言われ始める二人。

「わざわざ遠いところから通ってるんだろ?
だったら、油うってないで終わったらさっさと帰れっ」

と。

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