先生のビー玉
その間に…

「佳奈、行くよ」

頷く佳奈を彼の所に連れていく恭子。

「お前の乗ってくか?」

彼が言う。

「乗ってく」

そう言い、佳奈を助手席に乗せ自分は後部座席に座る。
車に乗り込んだ彼、いつもの調子ではない二人に気付く。

「…なにかあったか?」

頷く佳奈。

「あいつから声かけられたみたい。
結構しぶといね。
私たちの授業が終わるまで待ってたくらいだから」

と恭子。
続けて…

「とりあえず、佳奈には彼氏がいるからっては言っといたから」

とサラリと言う彼女。

「そうか。
それにしても…どうしてここの学校まで通ってるんだ?
それ自体がおかしいだろ」

と彼。

「そうね。
学校でも言われてた。
遠いんだからさっさと帰れって」

と恭子の発言に頷く彼だった。
それから恭子の自宅前で彼女を下ろすと、

「まだ時間あるか?」

「というより、今日も…泊れるけど…」


< 361 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop