先生のビー玉
佳奈が呟いた。

「お前ら…外泊ばっかりしてるんだろ?」

驚いた彼が言う。

「ほとんど貴子の家だよ。
それに、両親は兄の所に行ったみたい」

「兄貴がいるのか?」

「うん、県外に…たまにフラッと行っちゃうんだよね」

「そうか」

「ねぇ…だめ…ですか?」

佳奈が彼をうかがうように問いかける。


走っていた車を停め…
ギュッと佳奈を抱きしめ…


「だめなわけがないだろ?
むしろ、ずっと一緒にいたい」


「…へへへ…」


彼の一言に照れ笑いする佳奈。
パッと佳奈を離し…

「お前…気持ち悪いぞ」

笑う彼だった。

< 362 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop