先生のビー玉
佳奈も笑っていたが、小さなため息をひとつ。

「なにかされたか?」

「されたわけじゃないんだけど…」

「ん?
俺は何を言われたも大丈夫だ」

前を向きそう言った彼に、あったことを話した。
話があるって言われたことをである。

「話があるって?」

彼の問いかけに頷く佳奈。

「まったく…ガキの考えてることはわかんねぇ」

はき捨てるように言う彼だった。
そして車は彼のマンションへ。
部屋に入るとふとしたことに気づく。

「あ…明日学校だった」

と。

「気づいてなかったの?」

頷く佳奈。

「帰るか?」

「いやだ」

「当たり前だろ?
明日、朝早く家に送るよ。
それから登校すればいいだろ?」

佳奈を抱きしめ耳元で囁くように言う彼。







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