先生のビー玉
何か言わなきゃ…

そう思っていると、いきなり抱きしめられた佳奈。

「やっ、ちょ、滝川君っ?」

「好きなんだって…
易々とあきらめることなんてできない」

抵抗する佳奈だが、到底簡単に逃れることができない。

「ご、ごめんなさいっ」

謝るが、

「謝るくらいなら付き合ってくれてもいいんじゃない?」

「いやっ、は、離してっ」

「離さない」

必死に抵抗を続ける。
大きい声も出せない。


浩ちゃんっ助けてっ


心の中で叫ぶ佳奈。
と同時に、彼に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになる佳奈。


自然と流れ出る涙。


「は、はなして…」

驚いた孝司、腕の力を抜く。
その場に座り込む佳奈。

< 375 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop