先生のビー玉
「でもさ、佳奈ちゃんの彼氏って誰だろう?」

帰りのバスを待つ二人。

竜太郎が呟く。


「あいつ…だろ。多分」

「まさか」

「あいつしかいねぇって。
佳奈ちゃんが奴に気があるのだって見え見えだし、奴が佳奈ちゃんに気があるのだって見りゃわかる。
奴だよ」

「でも、教師と生徒だし…」

「関係ないだろそんなの」

「そうか?」

「教師と生徒だとしても、男と女なんだし、年だって近いって言えば近いだろ」

「…まぁ…」

「多分そうだよ」

「確かめてみるか?」

「…いや、確かめたって結果は一緒だ」

孝司の一言にだまって頷く竜太郎だった。


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