先生のビー玉
「待ってる…俺だって待ってるよ」

そう呟き部活を終えると職員室に向かった。
さっさと終えて自動車学校へ行くつもりだ。

が…そんな時に限って…

「田村先生っ」

振り返ると…

安藤がにこりと笑って立っている。

「何か用か?」

「先生つめた~いっ」

キャッキャッと周りではしゃぎまくる。
そして思う。

佳奈がここにきてた時は…

なんて思ってしまう。
あいつはまず場所をわきまえてる。
だから、こういうところでもはしゃいだりは…しない。

あいつは…

全く、どこまで俺のこと占領してるんだか…

改めて実感している。
そして…

「あぁ、安藤、悪いがちょっと忙しいんだ」

そう言うが、

「じゃぁ、黙ってる」

という始末。
あらゆることを言っても居座るつもりだろう。

よし…

「池田先生、お宅の生徒さん、何やら仕事がしたいらしいですよ」

と後ろにいる池田に投げかける。
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