先生のビー玉
バツが悪そうに受け取ると、その場で採点を始める。

「絵里先輩は何してんの?」

由梨が言うと、

「あぁ、生徒会の仕事が終わらないってやってるみたいだぞ」

と答える。

「先輩も大変だ」

と頷いている。

「学業とお仕事と大変なわけよ」

と言いながらパソコンでネットを始める佳奈。

「こらっ、誰がやっていいと言った?」

彼が消しゴムを投げる。
ひょいとよけると、

「先生とは違って私は若いの。
だから、そんなの投げても当んないよ」

そう言いつつ採点の終わったプリントを生徒に渡す。

「戸田、残念だが1問不正解」

「うそっ」

プリントを見、問題を読み直す。

「あのな、ここがこうだろ…」

説明を始める彼。
表向き聞いているフリをしているが…
全く耳に入らない。
当然だ…
彼がこんなに近くにいるのだから。

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