先生のビー玉
「いつもだったら近くで待っててもらうけど、今日は遅いから大丈夫だろ」

そう言われ、先ほどの事などすっかり忘れて彼のあとに続く佳奈。
駐車場へ到着し、車を発車させる。
暫く走り、ひと目のつかない場所で車を止める。

「どうした…んっ」

その言葉を遮るように田村が佳奈を抱きしめキス…
何度も何度も角度を変え、息をつく暇もない。
やっと解放され、ギュッと抱きしめられる佳奈。

「くるしいよ…」

佳奈が言うと、

「靴箱での佳奈、あれ犯罪」

と田村。

「え?」

「あそこで押し倒しそうになった」

耳元で呟く田村。

「だって…怖かったんだもん…」

そう呟くと、

「ほら、また…」

「んんっ」

田村の欲求不満は、佳奈が卒業するまで持つかどうか…
それは一番自分が思っていることだと実感していた。
< 408 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop