先生のビー玉
席を立ち、事務室から出る。

「昼、まだだろ?」

「まだだけど」

「一緒に食うか?」

「え?ダメでしょっ」

慌てて言うと、

「ダメかなぁ…」

そう言い、大きく伸びをする。

「貴子が図書室で待ってるから」

そう言うと、

「何時まで?」

と田村。

「じゃぁ、何時まで?」

佳奈が聞くと、

「5時かな」

「じゃ、5時で」

佳奈は手を振って図書室の方向へ走って行った。
その後ろ姿を見…

「もうすぐだな」

ふっと笑う田村だった。
佳奈が去った後、絵里が階段から降りてきた。
彼の笑顔を見、その視線の先を見る。

「…佳奈…?はぁ?意味わかんないし」

先日の事もあり、気持ちが収まらない絵里だった。
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