先生のビー玉
「あら?佳奈ちゃん忘れ物…かな?」

朋子が佳奈のバッグを見ながら呟く。

「あぁ、そうかもしれませんね。
また戻ってくるんじゃないですか?」

直子がパソコンから目線をバッグに移して言う。

「ま、後で奴が取りにくるはずよ」

「奴?」

「ん?いいのいいの」

「そういえば、さっき佳奈ちゃん誰だっけ…あの…元生徒会の優等生と一緒に歩いてましたよ」

「元生徒会の優等生?」

直子の一言に反応する朋子。

「はい、学生はイイですよね、自由で」

マウスを指で弾きながら呟く直子。

「ま、そういうことね」

朋子はそれを見て笑うと仕事に入った。

直子の一言などすっかり忘れてしまっていた。

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