先生のビー玉
「とりあえず、お前は準備室で待ってろ」

「やだよ、絵里がいるし」

「あいつは帰らせる」

「帰るかどうかっ」

「待ってろ」

そう言い、田村は準備室へ戻り、ぶすくれた絵里が準備室から出てきた。
途中、彼女とすれ違うと、

「いつもの金魚の糞はいないの?」

「はぁ?」

「別にっ」

勝ち誇った表情で階段を下りていった。

「意味わかんないし」

そう言い、準備室に入ると田村がスマホを片手に座っている。

「佳奈、出た?」

貴子の問いに首を振る田村。

「ちょっと探してこようかな。
もしかしたら、図書室に来てるかもしれないし」

貴子が席を立つ。

「そうだな。
俺は職員室に戻ってみる」

田村も席を立つと、準備室の鍵を閉めそれぞれの方向へ向かった。

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