先生のビー玉
あれは入学式の時のこと。
緊張して眠れなかった佳奈は、寝坊してしまったのである。
必死でホールに走っていたが…
どこがホールか見当も付かない。
「あれ…ホールってどこだっけ?」
思わず立ち止まる。
とその時、
「新入生か?迷ったか?」
と見上げるほどの教師が話しかける。
「あ、はい」
「じゃ、こっち。
ムダに広いんだよなぁここは」
ホールの方向に歩き始めた。
が、その長身である。
歩幅が違いすぎる。
半ば走って付いて行っていると、彼は振り返り…
「あ、悪い」
と言いつつ佳奈に歩幅をあわせると、
「何科?」
と聞いてきた。
「情報システム科です」
そう言うと、
「名前は…戸田佳奈」
胸に着けたネームプレートを見たようだ。
「あ…はい」
「もしかしたら担任になるかもしれないぞ」
「?」
「情報システム科、1年の担任だから。
ほら、ココだ」
入口のドアを指差す。
「一番前が新入生だ。コソッと座っとくと良い」
といわれ、
「ありがとうございました」
と頭を下げると、
「新入生はいいなぁ~素直で」
と言いつつ中に入ると職員席のほうに向かっていった。
しばらくその後姿を見ていると、
「あら?新入生?早く席についてね」
と腕章をつけた係りの生徒から言われる。
あわてて下に降り、席に座る。
それが、佳奈の恋の始まりだった。
緊張して眠れなかった佳奈は、寝坊してしまったのである。
必死でホールに走っていたが…
どこがホールか見当も付かない。
「あれ…ホールってどこだっけ?」
思わず立ち止まる。
とその時、
「新入生か?迷ったか?」
と見上げるほどの教師が話しかける。
「あ、はい」
「じゃ、こっち。
ムダに広いんだよなぁここは」
ホールの方向に歩き始めた。
が、その長身である。
歩幅が違いすぎる。
半ば走って付いて行っていると、彼は振り返り…
「あ、悪い」
と言いつつ佳奈に歩幅をあわせると、
「何科?」
と聞いてきた。
「情報システム科です」
そう言うと、
「名前は…戸田佳奈」
胸に着けたネームプレートを見たようだ。
「あ…はい」
「もしかしたら担任になるかもしれないぞ」
「?」
「情報システム科、1年の担任だから。
ほら、ココだ」
入口のドアを指差す。
「一番前が新入生だ。コソッと座っとくと良い」
といわれ、
「ありがとうございました」
と頭を下げると、
「新入生はいいなぁ~素直で」
と言いつつ中に入ると職員席のほうに向かっていった。
しばらくその後姿を見ていると、
「あら?新入生?早く席についてね」
と腕章をつけた係りの生徒から言われる。
あわてて下に降り、席に座る。
それが、佳奈の恋の始まりだった。